法律がどうみなさんに関わるかというと、たとえば、作品には著作権がありますし、新たな映像表現を求める過程で、新たな撮影技術(発明)を生み出すこともあるでしょう。では、こういった権利や法律を単に守りましょうと言いたいかというと、そうではありません。たとえば、ルイ・ヴィトンの中古のカバンを買ってきて、それを生地にして、新たな靴を作ってもよいでしょうか? 商業的に行えば、これは日本では違法となる可能性があるのですが(商標権と不正競争防止法が関わります)、それでよいでしょうか? 「よくない」というのであれば、法制度を変える必要があります。法学は、こういったクリエイティブな空間(Creative Space)をデザインする学問でもあります。私はみなさんと一緒にCreative Spaceを考えていきたいなと思っています。
橘 雄介
- 知的財産法
- 情報法
私の専門は法学です。法律にもいろいろありますが、特に、知的財産法と情報法と呼ばれる分野を専門としています。私は、博士論文では知的財産法、特に、特許法を扱いました。その後、企業に就職し、情報法、特に、情報セキュリティ法も担当することになりました。大学に戻ってからは、環境と知財・情報法との関係、特に、プロジェクトとして紹介する「修理する権利」を研究するようになっています。
こう言うと、一貫した研究の対象というのはあまりなさそうなのですが、それはその通りでしょう。ただ、共通点があり得るのは、割と課題がある領域を対象としてきたということだと思います。「制限速度が40km/hの道路で、41km/hで走行する自動車は存在しない」と聞いて、納得する人はいないと思います。その意味で、法は現実そのものではないのですが、法があることで世の中の何らかの課題を解決することに役立つこともあります。おそらく、私はそういった「法による課題の解決」に重きを置いた研究をしているのだと思います。